少年事件の抗告

非行を犯したとされる少年(20歳未満の者)を弁護する事件を少年事件といいます。

弁護士は,付添人という立場で関与し,少年の言い分を法的に主張したり,二度と非行をしないように立ち直るための環境を整える役割をします。

たとえば,少年が自分はやっていないというのであれば,非行をしたという警察等の証拠が十分なのか検討したり,少年に有利な証拠を集めます。

また,少年が非行をしたことを認めているのであれば,被害者と示談をしたり,両親,学校,職場等と少年を応援してもらえるよう調整する役割をします。

少年事件は,家庭裁判所で審理され,不処分,保護観察,少年院送致等が判断されます。

家庭裁判所の判断に不服がある場合は,抗告といって,上級の裁判所(高等裁判所)で争うことができます。

抗告は,家庭裁判所の審判の決定があってから2週間以内にしなければなりません。

抗告が認められるのは,法令違反(手続きが法律上誤っている等),重大な事実誤認,処分の著しい不当(非行の内容等に比べて非常に重い処分になっている)とされています。

家庭裁判所の審判が直ちに停止されないので,家庭裁判所が少年院送致の決定をしている場合,少年院にいる少年と弁護士で打合せをしつつ進めます。

抗告が認められて家庭裁判所の判断がくつがえる例は少ないのが実情ですが,弁護士の腕の見せ所でもあります。