持ち家があったが手放した方の債務整理では、多額の住宅ローンが残っているケ
ースが多いです。
ここでは、住宅ローンが払えなくなった後の、住宅ローンを借りていた方から見た流れをお伝えします。
1 住宅ローンを6ヶ月延滞すると競売される
住宅ローンは2,3ヶ月延滞になると、住宅ローン会社と延滞解消の目途に
ついて話し合いがつかない限り一括請求されるようになります。
遅くとも6ヶ月程度たまる頃には、住宅ローンの債権者は、自宅を裁判所を
通じて売りに出します。これを競売と呼んでいます。
2 執行官による現地調査
競売の開始決定が裁判所から届くと、その1,2か月後くらいに現地調査の
日が指定されています。
これは、裁判所の執行官が不動産の中を見に来て、どの程度の値段がつきそ
うか等を報告するためのもので、調査を拒否すると刑事罰が課されることがあ
ります。
3 インターネット上に調査書等が公開される
BITというサイトに、裁判所が不動産を調査した結果が公開されます。
これにより、不動産業者等が売りに出されていることを知り、売買の話を持
ち掛けてくるケースもあります。
自己破産等の債務整理を予定している場合は、不動産業者の話に応じる方が
トラブルのもとですので、応じる必要はありません。
4 開札期日頃には出ていく
不動産を買いたいという業者や個人が値段を書いて入札し、最高価格をつけ
た人が開札期日に落札します。
落札した人がお金を裁判所に払った時点で落札した人のものになりますの
で、基本的に開札期日までには退去しておく必要があります。
なお、退去時に残っているものは買主が処分することが多いですし、自分で
買った家財道具で必要なものは持ち出して構いません。
5 競売後に残った債務は一括請求
競売で住宅ローン債権者が不動産を売っても残る債務は、1年で14%を超
える高い遅延損害金がつくのが通常で、一括請求です。
一時的に相手の業者と話し合って分割払いが認められたように見えても、収
入や財産が増えれば一括請求に戻ったり、財産を差し押さえされるのが通常で
す。
住宅を売られても住宅ローンが残ったなら、弁護士に相談し、自己破産や個
人再生など裁判所を通じた借金の整理を考えるのがよいでしょう。