同時廃止事案の免責不許可事例

破産事件は,同時廃止事案と,管財人という裁判所が第三者的立場の弁護士を選任する管財事件に分かれています。

同時廃止事案で,破産申立ての13年以上前にした建物等の譲渡を理由に免責不許可になった裁判例を読みました(東京高等裁判所平成26年7月11日決定)。

この事案は,ほぼ唯一の債権者が免責許可決定について激しく争っています。

この裁判例では,同時廃止事案では,破産管財人の調査結果や意見を聴くことができないので,裁判所の裁量で免責を許可しにくい旨述べられています。

免責不許可事由があって,債権者が免責を激しく争う事案等では,管財事件で申立てをした方が良いとも考えられます。

また,破産申立てからかなり前に行われた不適切な財産処分が致命傷になっている点で,安易に,破産申立てまで時間が空いているから心配ないとはいえないことが分かります。