月別アーカイブ: 2015年 1月

同時廃止事案の免責不許可事例

破産事件は,同時廃止事案と,管財人という裁判所が第三者的立場の弁護士を選任する管財事件に分かれています。

同時廃止事案で,破産申立ての13年以上前にした建物等の譲渡を理由に免責不許可になった裁判例を読みました(東京高等裁判所平成26年7月11日決定)。

この事案は,ほぼ唯一の債権者が免責許可決定について激しく争っています。

この裁判例では,同時廃止事案では,破産管財人の調査結果や意見を聴くことができないので,裁判所の裁量で免責を許可しにくい旨述べられています。

免責不許可事由があって,債権者が免責を激しく争う事案等では,管財事件で申立てをした方が良いとも考えられます。

また,破産申立てからかなり前に行われた不適切な財産処分が致命傷になっている点で,安易に,破産申立てまで時間が空いているから心配ないとはいえないことが分かります。

賃貸マンション経営と債務整理

最近,賃貸マンションを経営される方から,個人再生や自己破産の相談を受けるケースが増えています。

相続税の節約等のため,借入をして賃貸マンションを購入したものの,古くなって空き家が増えたり,賃料を下げざるを得なくなって,賃料収入より返済額の方が多くなっている方が大勢いらっしゃいます。

このような方は,ご自宅も住宅ローンを組まれているケースがほとんどなので,ご自宅だけでも残すためには,住宅ローン以外の借金を圧縮して,住宅ローンを支払い続けて自宅を残す個人再生がお勧めできます。

賃貸マンションの経営とそのローンの返済にお困りの方は,弁護士までお気軽にお問い合わせください。

老後破産 貧困老後

「老後破産」「貧困老後」というキーワードがいろいろな週刊誌に載っているという記事を目にしました。

地価も住宅ローン金利も高かった1990年代頃に住宅ローンを組み,定年を迎えても1000万円以上ローンが残っており,退職金が思ったほど出なかったり体調を崩したりで想定していた返済ができなくなり,住宅ローンの返済の困るケースが多くなっているそうです。

ご高齢の方は,収入を増やせる見込みが高くない,返済期限を延長してもらいにくいなどの理由から,家計を見なおしても,自己破産や個人再生をせざるを得ない方が少なくないように感じます。

詳細は,弁護士までおたずねください。

 

任意売却で譲渡所得が非課税になる場合

不動産の任意売却で,譲渡所得税がかかることを気にされる方は少なくありません。

しかし,現実には,非課税となるケースが多いと思われます。

所得税法には,債務の返済ができず競売等が避けられない状況で,売買代金が債務の返済に充てられ場合には,譲渡所得税が非課税となる規程があり,弁護士に相談に来られる方の場合,このような状況になっていることが多いと思われるからです。

詳細な要件があるので,弁護士に相談していただきたいところですが,昔から土地を持っていて取得価格が分からない方等も,お気軽に任意売却をご検討ください。

 

 

初投稿

あけましておめでとうございます!
2015年初投稿です。
今年は、後輩の弁護士も多数入所し、そのサポートも重要な役割になるので、一層気を引き締めて業務に当たりたいと思います。
よろしくお願いします。