月別アーカイブ: 2016年 9月

刑事事件の判決言渡し

今日は,私が弁護人をしている刑事事件の判決の言い渡しがありました。

民事事件では,判決文は事務所に送付されるので,判決の期日には出席しないことの方が多いです。

一方,刑事事件の第一審の判決の言渡しは,弁護人は原則として立ち会わなければなりません。

判決文は,あえて交付申請等をしない限り送付されず,判決の結果や判決理由によって控訴するか検討しなければなりません。

公訴事実を認めている場合は,言渡しは5分程度で終わりますが,理由が分からなくならないよう,しっかりと記録しておく必要があります。

 

 

 

破産手続と養育費の扱い

養育費を支払う側が自己破産する場合,養育費を支払うべきか悩ましい場合があります。

まず,破産手続開始決定後に発生する養育費は,金額が不相当に高額でない限り,支払うことに問題はないと考えられています。

一方,破産手続開始決定前に発生した養育費を滞納している場合,養育費の支払義務は破産債権として,他の消費者金融や銀行からの借入と平等に取り扱わなければならず,破産手続中に支払うのは適切でないのが原則です。

しかし,破産手続開始決定前の養育費は,自己破産して免責決定を得たからといって,支払義務を免れる訳ではありません。

そうすると,破産手続開始決定前の養育費は,破産手続が終わった後に,分割等で支払わなければならないことになります。

弁護士に自己破産を依頼してから破産手続開始決定を得るまでの間の支払も,毎月発生する分を約束どおり払う場合は,金額が不相当に高額でない限り問題ありませんが,過去に滞納した養育費を上乗せして払う場合は,一部の債権者を優遇したとして破産手続で問題となると考えられます。