相続財産管理人とは,裁判所から選ばれ,相続人がいない人の相続財産を管理する仕事をする者です。
たとえば,子や兄弟がいない人が不動産を持ったまま亡くなると,不動産を相続する人がいないことがあります。
ただ,亡くなった人にお金を貸していた人がいれば,不動産を売ったお金で返してほしいと思うのは自然なことです。
そこで,お金を貸していた人は,裁判所に対し,相続財産管理人を選任するように申し立て,相続財産管理人が不動産を売却して,お金を貸していた人等に支払いをすることになります。
相続財産管理人は,亡くなった方の財産や負債を調査し,財産をお金に換えて債権者に支払いをします。
また,相続人がいないけれども,特別に亡くなった方を世話した方等が,財産を受け取る権利を主張して申立てをすれば,特別縁故者に該当するか検討して財産を分ける仕事もします。
このような専門的な仕事ですから,相続財産管理人には,弁護士等の法律の専門家が選ばれるのが一般的です。
相続人がいない人の財産は,最終的には国のものになるのですが,国が不動産のまま受け取ることはめったにありません。
そこで,近年は,なかなか買い手がつかない不動産を,どのように売却して現金化するかが課題となっています。