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民事裁判の進行

1 民事裁判とは

裁判を起こすことや起こされることは、人生に一度もない人の方が多いでしょう。弁護士にとっては日常ですが、一般の方が裁判所からの書類が突然届いて驚かれるのも無理はありません。

裁判にも、刑事裁判、家事審判、家事調停、民事裁判など多くの種類があります。

民事裁判は、主にはお金にまつわる民間同士の訴訟をいいます。貸したお金を返してほしいとか、交通事故にあったので損害賠償請求したい、建物を明け渡してほしいなどが民事裁判です。ここでは民事裁判の一般的な流れをお伝えします。

2 訴状を提出し、被告に訴状が送達される

民事裁判は、原告(訴える人)が訴状を裁判所に提出するところから始まります。

裁判所は、基本的な要件を確認し、問題がなければ被告(訴えられる人)に訴状を送ります。

被告は、訴状が送達されたことで訴えられたことや訴えの内容を知ることになります。

3 被告の答弁書の提出

被告は、裁判所から、第1回の裁判の期日の1週間前を目途に、答弁書という自分の言い分を書いた書類を提出することを求められます。

提出せず裁判の期日にも出頭しなければ、原告の言い分どおりの判決が出ますから、被告は答弁書を提出する必要があります。

4 期日

第1回の裁判期日は、原告は出頭しますが、被告は簡単な答弁書を提出しておいて欠席することも多いです。

すると、2回目の期日が指定され、そこまでに準備書面という本格的な反論書面や証拠を出します。

近年は、裁判所に行かず、web会議という双方の弁護士と裁判官がwebでつないで期日を行うケースが増えています。

5 和解の提案

何度か準備書面を双方が出し合うと、裁判官から和解の提案があるケースが多いです。

たとえば、500万円請求していて、裁判官から200万円を払って和解をしたらどうかと勧められたとします。

原告被告双方が200万円でOKとなれば、和解で裁判が終わります。

7 証人や当事者の尋問

書面だけでは分かりにくい場合、裁判官が原告・被告本人や、証人となる方を尋問することもあります。

尋問には、弁護士に依頼されるなら想定問答等を十分に打ち合わせして臨むとよいでしょう。

8 判決

裁判官が判決を書きます。原告か被告の一方が全部勝つか、一部だけ原告の請求が認められることもあります。